夏色少女

午前0時の

ある日のこと

君は耳元で呟いた 

「明日、君の街に行くから」と

そう言って君は笑う


午前10時の

ある日のこと

いつもと違う道を二人で歩く

「目的地なんて決めなくていいよ」

桃色の水を飲んで君は少し笑う


潮風が君の髪を梳かし

紺碧の空に淡く溶け合う

遠退く夏の日差しは鮮やかな

水色に海を染める

波の音が僕らの声を掻き消していく


午後14時の

ある日のこと

「バス停から見える景色をふたり占めしたい」と

そう言って、笑顔で君は走り出す


午後16時の

ある日のこと

君はそっと呟いた

「君と過ごす、最後の夏だから」

そう言って、君は静かに泣き出した


遠退く夏のたおやかな風は

亜麻色の髪を優しく撫でる


潮風が君の髪を梳かし

夕闇に溶けて儚く消える

そっと近づく秋の足音は

茜色に海を染める

波の音が僕らの声を掻き消していく



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