シクラメンの花が落ちる頃に
シクラメンの花が落ちる頃に
寂寞とした心を溶かして
肌を劈く風が、過去を切り離し
約束の言葉を解いて
真っ白に塗り潰された視界は
何も映らないほどに綺麗だから
塞ぎ込めるぐらい、モザイクで覆い隠して
届かない声も、戻らない君さえも
壊しても、探しても、叫んでも、見つからないけど
解けない、記憶を頼りに
名前を呼んでよ
シクラメンの花が落ちる頃に
翠色に染まる心は狂わせる
夢の中でさも掻き乱す声は
喚く踏切の音みたいで
真っ黒に塗りつぶされた鏡は
何も映らないほどに綺麗だから
シクラメンの花が落ちる頃に
寂寞とした心を溶かして
肌を劈く風が、過去を切り離し
約束の言葉を解く
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