夏の終わりを告げる

細い指先が水面に透けて

乱反射した、夏の光が

砕けて、君を包んでいく

その姿に見惚れていた


あとどれぐらい、短い季節を

君と共に過ごせるのだろう


そして君が思い出になっても

全部溶けずに残っていく

色褪せることもなく

このまま鮮やかにずっと


バス停から見える景色を

ふたり占めしたいなんて言ってみたら

君はいつもみたいに笑った

音もたてず、夏が終わる


亜麻色の髪に夕焼けが反射して

夏の灯の中に混ざり合う


あの夏が過ぎ去っても

さよならなんて、できなくて

ひとり占めしたバス停

音もたてず、夏が終わる


そして君が思い出になっても

全部溶けずに残っていく

色褪せることもなく

このまま鮮やかにずっと




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